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一般的な顎変形症の治療と「サージェリーファースト」を併用した治療の違い

一般的な顎変形症の治療と「サージェリーファースト」を併用した治療の違い

顎の変形や顔の歪みが著しく、またそれにより噛み合わせや言葉の発音にも影響が出てしまうことがある「顎変形症」。これは歯並びの矯正だけでは治療が難しく、外科手術も併用しなくてはいけないことが知られています。今回は顎変形症と診断された場合にどのような治療が必要になるのか。そして一般的な顎変形症の治療と「サージェリーファースト」を併用した治療の違いについてご紹介したいと思います。

一般的な顎変形症の治療

一般的な顎変形症の治療

一般的に、顎の骨格に著しい変形が見られ、それにより歯の噛み合わせや言葉の発音などに異常が見られる場合を「顎変形症」と診断されます。このほかにも顕著な顔に歪みが見られたり、上下の前歯が極端に出っ張っている場合などにおいても顎変形症と診断されるケースがあります。

顎変形症による噛み合わせの異常の場合、どんなに歯並びを治療しようとしても根本的な改善をすることはできません。そのため顎を正しい位置に戻す外科手術を併用し、その後歯並びの矯正も行わなくてはいけなくなります。

また子供の頃のうちに顎変形症と診断された場合、すぐに顎の手術を行うことはできません。その理由は成長期の途中で手術を行っても、骨格が成長をすることで手術による顎骨の矯正の効果が失われてしまう可能性があるためです。よって骨格の成長が止まるまでのあいだは歯並びをある程度矯正するまでにとどめ、その後成長が止まる高校生以降の成人期に入ってから手術は行われます。

またその後も最終的な調整による矯正を行うため、治療が終わるまでのあいだに非常に長い期間を要することになります。しかし顎変形症の治療の場合、一般的な矯正治療と異なり保険適用の治療を受けることができます。それにより費用はおよそ10分の1くらいにとどめることができます。

サージェリーファーストとは?

この「サージェリーファースト」という言葉を聞き慣れている方はまだあまりいないことでしょう。サージェリーファーストとは顎変形症の新たな治療方法であり、これが臨床で行われるようになってからまだ3年ほどしか経っていません。

この治療方法は従来の顎変形症の治療に必要な術前の矯正治療を行わず、最初の治療で顎の矯正手術を行います。それにより治療の早い段階で顎変形症の最大のコンプレックスと言われる顔の変形が解消することがこの治療の大きなメリットになります。その後はまだ不安定な噛み合わせを整えるために矯正治療を行い、噛み合わせが安定すれば治療は完了です。
本来の顎変形症の治療方法では、最初に術前の矯正治療を行います。これは顎矯正手術を行ったあとに適切な噛み合わせとなるよう、あらかじめ歯並びを矯正して準備をしておくことが目的です。ただし手術後の噛み合わせを想定した矯正治療は予測することが難しく、最適な歯並びに至るまで矯正を続けていくことには非常に長い期間を要する場合が多くなります。

そのために手術に至るまでの期間が長期化してしまう傾向にあり、患者様の精神的ストレスは避けられないことがこの治療方法の大きな課題でした。そのため、治療の開始段階で顎矯正手術を行うことで顔の見た目に変化をつけ、その後歯並びを整えていく方法を取ったのがこのサージェリーファーストなのです。

一般的な顎変形症の治療とサージェリーファーストの違い

次に一般的に行われている顎変形症の治療方法とサージェリーファーストを併用した治療方法の違いについてあげていきたいと思います。まず先程ご紹介したように、この両者の大きな違いは「治療の最初に矯正を行うか、行わないか」にあります。

従来の方法により矯正治療を最初に行うと、歯並びを最適な状態まで持っていくのに長い期間がかかる場合が多く、それにより治療が長期化しやすいことが問題でした。しかしサージェリーファーストの場合、最初に顎矯正手術を行うことで歯並びを整える治療を後半に行うことで治療期間の短縮化が可能になります。

またもうひとつの大きな違いは「治療に保険が適用できるか、できないか」にあります。従来の治療方法を行うにあたって顎変形症と診断された場合、治療にかかる費用が保険適用となり、ある程度の額まで治療費を抑えることができます。しかしサージェリーファーストの場合、保険適用の治療と認められていないため保険適用外となってしまいます。そのため治療にかかる費用をすべて自己負担しなくてはいけないことがサージェリーファーストの大きなデメリットになります。
具体的な両者の違いとしてはこの2点があげられます。さらにサージェリーファーストを導入している歯科医院はまだあまり多くないため、治療を希望しても受けられる医院が限られてしまうことも問題です。

治療期間と治療費のどちらを優先するか?

従来行われてきた額変形症の治療を受ける場合、治療期間が長期化する半面で保険適用の治療として費用の負担が軽くなります。対してサージェリーファーストの場合は治療期間の短縮化を実現させることができますが、その代わりに治療費を全額負担しなくてはいけなくなります。

この場合、どちらを優先的にするかによって治療の選択が分かれることになります。また当院ではサージェリーファーストによる額変形症の治療を導入しているため、治療を短期間で終わらせたいという患者様のご希望にお応えすることができます。治療のご相談もお受付しておりますので、お気軽にご来院ください。

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