痛みの少ない治療を
望まれる患者様へ

痛みの少ない治療

   

矯正歯科は決して耐え忍ぶ治療ではありません。「矯正歯科治療・装置」を選択し、各種「ペインコントロール法」を併用すると“痛くなりにくい快適な矯正歯科治療”が始まります。

歯列矯正治療って痛いの?

個人差もありますので一般論で申し上げますが、基本的には「強い痛みは生じません。」
また「現在、様々な手段によって、矯正歯科治療の痛みを最小限にすることを目指すことができます。」

歯科矯正装置を調整したのに全く痛みがありません。これでちゃんと歯が移動するのですか?

また診療室内での会話の一例です

問題はございません。ただし明日の晩くらいになるとちょっと歯が押された感じがすると思います。

では本当に矯正治療時の“痛み”をコントロールできるのでしょうか?

これにはまず、“痛み”の出る矯正治療、または“痛み”の出やすい装置、材料を装着しないこと。

次にそれでも出てしまった“痛み”に関しては、我慢するのではなく適切な処置を施すことが重要です。

矯正の痛みについて

矯正治療時の痛みは、大きく分けると2つ考えられます。

歯に及んだ矯正力による、歯周組織の炎症反応。この炎症過程においては化学物質である発痛物質が放出され、 それが中枢に送られ痛みとして認知されます。

また矯正治療時の痛みは前述のような化学物質のみが関与しているだけでなく、

矯正装置という物理的な刺激(形状)によっても引き起こされることもあります。すなわち、装置のでこぼこ感 による唇内面の擦れや裏側(舌側)の装置の場合には、舌への違和感が多少なりとも生じます。

通常これらをまとめて“痛み”と総称していますが、さらに詳しくご説明をさせていただきます。

矯正歯科の治療時の痛みは、当然のことながら矯正装置を装着することや矯正装置の調整によって生じます。

まず、どこで生じている痛みなのかを診断することが重要であり、原因によってそれぞれの対処法が変わります。

矯正治療時の痛みが何処で生じているのかを“痛み”の種類として、またその対応策を列挙します。

矯正時の痛みの種類について

◆ 歯周組織の炎症反応の痛み
→A:炎症性疼痛物質の除去
 B:矯正メカニクス

 (治療方針、装置、矯正ワイヤー) の考慮
◆ 頬や唇の内面の粘膜部の痛み
→物理的刺激の除去、緩和
◆ 舌の表面の痛み
→物理的刺激の除去、緩和

歯周組織の炎症反応の痛みを改善する為に

A: 炎症性疼痛物質の除去

炎症性疼痛物質の除去

B:矯正メカニクス(治療方針、矯正装置、矯正用ワイヤー)の考慮、調整

矯正メカニクス(治療方針、矯正装置、矯正用ワイヤー)の考慮、調整

痛みを和らげる矯正治療法(LLLT法)

痛みを和らげる矯正治療法(LLLT法)

簡潔に説明を行いますと、歯に矯正力をかけると歯根膜に炎症反応が生じ、その結果発痛物質が放出されます。レーザーはその発痛物質を抑制し、 また抗炎症作用、血行の改善に対しても効果を認めます。

しかしながら除痛効果を目的とする場合のレーザーは、種々あるレーザーのうち組織侵達性の高いもの、出力、作用時間、照射面積等様々な調整が重要です。やみくもに各種レーザーを併用しても効果は上がりません。もっと詳しく知りたい方は、このままご覧下さい。

レーザー治療って何?

レーザー治療は、レーザーによって起きる生体(身体)の反応を利用して行っています。例えば、寒い日に太陽の光を浴びると身体は暖かくなります。

これは、太陽光によって身体に光熱反応が起きたからです。それが過剰になれば、日焼けが生じます。レーザーの作用も同様です。

レーザー治療は、皮膚科、形成外科、整形外科、外科、眼科、歯科 等、医科、歯科を問わず様々な分野で臨床応用されています。

レーザー治療には

医学界では、生体反応によってレーザー治療を『外科的レーザー治療(HLLT)』『内科的レーザー治療(LLLT)』、両者の中間である『中反応レベルレーザー治療(MLLT)』と3つに分類しています。

レーザーアップル

レーザー光は、照射点から同心円状に周辺部および深部に拡散します。照射点が光の密度が一番高く、照射点からの距離が離れるに従って光の密度は低くなります。

一番外側は「活性化」(activation)、二番目は「融合」(welding 55℃以下)、三番目は「蛋白崩壊」(poteinbreaking68℃~)、四番目が「蛋白凝固」(potein coagulation100℃~)、次が「蒸化」(vaporization110℃~)最後が「炭化」(carbonization 200~2000℃)です。

「活性化」は、細胞や組織は生きたままの可逆的な反応です。「融合」は、細胞や組織が部分的に生きていますが、不可逆的な反応と言えます。「蛋白崩壊」 「蛋白凝固」「蒸化」「炭化」は細胞や組織が死滅する不可逆な反応です。

外科的レーザー治療(HLLT)

顔にシミのある女性

『外科的レーザー治療(HLLT)』 は、細胞や組織を破壊する不可逆的反応を利用した強いレーザーによる治療です。破壊する反応ではありますが、組織を選択して行うことが出来ます。

例えば、 アザやホクロを取る治療では、レーザーが特定の色にのみ反応するという性質を用いて、アザやホクロの“色素”だけに反応を起こすようにしているので、他の健康な皮膚には全く傷がつかないのはその為です。(例えば、紙を焦がさずに、数字(インクが載っている部分)のみをレーザーでは除去 することが出来ます。)

内科的レーザー治療(LLLT)

腹部を押さえる女性

『内科的レーザー治療(LLLT)』は、弱いレーザー光の力によって細胞レベルでの新陳代謝の活性化、また組織・臓器レベルでの血行改善や新生血管の増殖、さらに神経レベルでの鎮痛、除痛効果、消炎効果などを利用した治療で、現在各種痛みの治療や不妊治療などにも使用されています。

安全なレーザー治療のために
『外科的レーザー治療(HLLT)』や『内科的レーザー治療(LLLT)』など治療の目的に応じた生体反応を得るために、当院では様々なレーザー治療機器を使っています。レーザー治療機器は、それぞれ波長や出力、波形などに違いがあります。これを効果的に活用するには、治療経験や様々な生体反応に関わる研究、知識が必須です。

アザを例に考えれば、人体にはケロイド体質や色素沈着の起きやすい体質など必ず個人差があります。また、同じ人の場合でも、手や足など部位が異なれば、 アザの深さや濃さが違ってきます。従って、治療に際しては、患者さまの個人差、部位別にあわせていろいろな波長のレーザーから最適の機器を選び出し、出力、照射時間、照射面積等を調節しなければなりません。これらを的確に行って、アザを取る場合には始めて、皮膚を傷つけないで色だけを取る治療が可能になります。

当院では、患者さまに最も適した各種治療法を選択、良い結果を得ることが出来るように日々研究、研鑽を積んでいます。