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矯正歯科ブログ

早産の原因になる歯周病を歯科矯正で歯並びから予防する

早産の原因になる歯周病を歯科矯正で歯並びから予防する

歯周病は糖尿病をはじめとした全身疾患に深く関わっていますが、妊娠中の女性が歯周病になると、早産を引き起こすリスクが高まります。歯周病と早産の関連について、またその予防法にも着目してみました。

早産と低体重児出産について

まず早産ですが、早産は妊娠22週以降37週未満での出産のことを言います。妊娠37週以降で生まれた赤ちゃんに比べて、早産で生まれた赤ちゃんは体重も軽く、肺の機能をはじめとした各器官が未熟な場合がほとんどで、中には障害が残るケースもあります。早産で生まれた赤ちゃんは、NICUで治療を受けるなどの処置が必要になります。

低体重児出産とは、出産時の体重が2500g未満の赤ちゃんのことを言います。妊娠37週以降の正期産であっても、何らかの影響で母体内での発育不全が影響してしまうと赤ちゃんが十分成長せず、低体重で生まれてしまうことがあります。早産や低体重児出産になる原因は様々で、母体側の問題によるもの、胎児側の問題によるものがありますが、母体側の原因のひとつに歯周病が挙げられます。

妊娠中は歯肉炎などの口腔内トラブルが起きやすい

妊娠中は歯肉炎などの口腔内トラブルが起きやすい

歯周病はどちらかと言えば、中高年の方がなりやすいと思われているかもしれません。ところが実際は、20代から30代といった若い世代でも歯周病の罹患率が急増しています。そしてその中には妊娠中の女性も含まれており、性別世代を問わず、歯周病は今では生活習慣病の一種とも言われるようになりました。特に妊娠中の女性は虫歯や歯肉炎になりやすく、妊娠中に起きた歯肉炎がそのまま歯周病へと症状が悪化してしまうことも決して珍しくはありません。

女性は妊娠するとホルモンの関係で、体に様々な変化が起きます。そのひとつに口腔内のトラブルがあり、特に歯肉炎になる妊婦さんが急増します。妊娠するとホルモンバランスの変化から歯ぐきの腫れや出血といったトラブルが起きやすくなり、歯みがきのたびに歯ぐきから出血するといった妊婦さんも多くみられます。これは軽度の歯肉炎の症状ですが、妊娠中は特に特定の歯周病菌(PI菌など)が増加、活性化するために歯ぐきの腫れや出血の症状が出やすくなるのです。
加えて妊娠初期~中期は、つわりの影響で丁寧なブラッシングを行うことが困難な方も多くいらっしゃいます。また中期以降であっても、妊娠中は切迫早産などのトラブルが起きやすく、ベッド上で安静にしなければならないケースが起きることもあります。このように、妊娠中は歯みがきを念入りにすることが難しい状況になることがあり、特につわりのきつい方は、歯ブラシを口に入れただけで吐き気に襲われ、とてもブラッシングどころではない状況にあるのかもしれません。せめて口の中をさっぱりさせようとデンタルリンスを口に含んでみるものの、デンタルリンスには口の中をサッパリとさせる効果はあっても、プラークの形成を阻止することはできません。プラークは食べかすに含まれる糖が原因で作られます。その結果、歯と歯ぐきの際などに汚れが溜まりやすく、歯肉炎を引き起こし、やがて歯周病に進行してしまうのです。

なぜ歯周病が早産や低体重児出産の原因になるのか

では、なぜ歯周病が早産や低体重児出産のリスクを引き起こすのでしょうか。1996年にアメリカで妊婦を対象に歯周病検査を行ったところ、口腔内の60%以上に歯周病に罹患した妊婦は、罹患していない妊婦と比較して早産および低体重児出産の危険率が7.5倍高かったと報告があります。

歯周病は、歯周病菌による細菌感染です。歯周病に罹患することで血中の炎症性物質である「サイトカイン」が作られ、血管に炎症を起こして妊婦に対して子宮収縮を促してしまいます。子宮収縮は早産を誘発し、その結果胎児の発育不全をも引き起こしてしまうのではないかと考えられています。

歯ぐきの腫れや出血といった症状は妊娠性歯肉炎とも呼ばれます。妊娠中の歯肉炎は悪化するスピードも早くなると言われています。そして歯肉炎が改善されないまま歯周病へと進行してしまうことで、口腔内のみならず、早産や低体重児のリスクが高くなることを知っておく必要があります。

歯周病を予防するために妊娠前からやっておきたいこととは

歯周病は予防することができます。妊娠前に歯周病にならない口腔内環境を整えておくことで、母体側による早産や低体重児出産のリスクを下げておくことが大切です。

デンタルフロスなどを使った口腔内ケア

虫歯や歯周病は、予防することができます、そのためにも、丁寧な口腔内ケアが欠かせません。まずはブラッシング、デンタルフロスなどを使った丁寧なケアです。これは妊娠中のみならず、今後の歯の健康を守るために最も大切なことです。

つわりの間はブラッシングが辛いでしょうが、つわりが治まったら丁寧なブラッシングを心がけるようにして下さい。また歯と歯の間はデンタルフロスの使用が非常に効果的です。歯ブラシの毛先だけでは届きにくい、細かな汚れもフロスを使うことできれいに落とすことができます。歯ブラシやフロスも色々な種類が販売されているため、ご自身が使いやすいものを選ぶと良いでしょう。ワンタフトブラシを使うこともおすすめです。
また自治体により、妊婦歯科検診を行うサービスがあります。口腔内の状態を確認し、異常がないかなどの他に、歯科衛生士によるブラッシング指導などを受けることができます。自治体から案内があれば、是非受けるようにして下さい。

矯正歯科による歯列矯正

もうひとつは、矯正歯科での矯正治療です。歯周病の根本的な原因は、プラークです。プラークは食べかすと思われがちですが、プラーク=食べかすではありません。口腔内には非常に多くの細菌が存在し、これらの細菌が食べかすの中にある「糖分」を栄養源にして増殖する細菌の塊です。プラークが作られると、主に歯と歯の間や、歯ぐきの際などに白っぽいネバネバとした物質が付着します。口腔内に虫歯菌や歯周病菌が存在すると、プラークを棲家にして虫歯菌なら歯を溶かす酸を出し、歯周病菌なら毒素を出して歯ぐきに炎症を起こし、やがて歯槽骨を吸収していきます。

妊娠中に限らず、口腔内をこのような病気から守るためにはプラークを作らない環境を整える必要があります。そのためにも日常のブラッシングが非常に重要になりますが、歯並びが悪いとどうしても歯が重なった部分などは汚れをきれいに落としきることが困難になってしまいます。矯正治療を行い、歯並びをきれいに整えることでブラッシングが行いやすくなり、プラークの形成を防ぎやすくなります。妊娠を考えた際には、母体の口腔内の健康はもちろん、生まれてくる赤ちゃんのことも考えて、歯並びに問題のある方はいちど歯科医院で矯正治療の相談をしてみてはかがでしょう。

母体と赤ちゃんの健康のためにも、歯周病にならない環境を

母体と赤ちゃんの健康のためにも、歯周病にならない環境を

今回は歯周病と早産、低体重児出産についてご説明しました。歯周病は歯やお口の中だけでなく、全身の健康にも大きく影響します。特に妊娠中の女性は赤ちゃんの成長にも大きく関わります。歯周病が原因で早産となってしまうと、その後の赤ちゃんの人生にも影響しかねません。妊娠前および妊娠中は、歯周病にならない口腔内環境を整えておきましょう。特に歯並びに悩みがある方は、その分虫歯リスクや歯周病リスクも高くなります。妊娠する前に矯正歯科で相談だけでもしてみましょう。

当院では、患者様の口腔内の健康を考えた提案、治療を行っております。お口の中についてお悩みの方は、是非一度当院でご相談ください。

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