子供の矯正はいつから始めたらいい?
お子さんの歯並びを健診で指摘されたり、歯が歪んで生えてきたりして、「早めに矯正をしたほうがいいのだろうか?」と不安に思われている方もいるかもしれません。特にご自身が歯並びで苦労したことのある親御さんは、「子供には同じ思いをさせたくない」というお気持ちが強く、お子さんにとって最良のタイミングで矯正治療を受けさせたい、と思われるようです。今回は、子供の歯並びに問題がある場合、いつから始めるのがベストなのか、子供のうちから矯正治療を始めた方がいい理由とはどのようなものか、というようなことについて解説していきます。
成人矯正できるのに、子供の時から矯正を始めたほうがいい理由
矯正治療を大人になってから受ける人が増えてきています。当院でも大人の方で矯正治療希望される方は後を絶ちません。大人になってからでも矯正治療を始めるのは、見た目が改善して自分に自信が持てるだけでなく、健康面の改善にとっても、大変良いことです。日本も今でこそ、だんだんと歯並びに対する認識が変わってきてはいますが、かつての日本では、子供の歯並びが悪くても、それを「個性」というように受け取ることがありましたし、歯並びの重要性があまり認識されていませんでした。そのため、歯並びが悪くても適正な治療がなされず、そのような方が、大人になってから矯正治療を始める、という結果に至っていると考えられます。
大人になってからでも矯正治療できるし、それで満足いく結果になれば結果オーライなのでは?と思う人もいるかもしれません。ですが、大人になってからよりも子供のうちから矯正治療をしたほうがいいのには理由があります。
子供のうちから矯正治療を始めたほうがいい理由
子供のうちから矯正治療を始めたほうがいい理由はたくさんあります。
理想的な歯並びになりやすい
顎の骨の成長を調整しながら歯を並べることができるため、理想的で健康的な歯並び、噛み合わせに整えやすくなります。
上下の顎の発育をコントロールすることができる
子供のうちは顎も成長発育をしています。どちらかの顎、もしくは両方の顎の成長に異常をきたすような症例においては、矯正治療によって、顎の発育のコントロールをすることにより、その後の顎の変形を防ぐことができます。顎が変形してしまうと、大人になってから治そうと思っても、骨を切る手術が必要になってしまうため、子供の頃から治療を行うことは大きなメリットがあります。
成人矯正と違い、抜歯をせずに矯正できる可能性が高くなる
子供のうちに矯正をすると、歯が生える部分の骨、顎の骨の大きさを調整できるため、歯をキレイに並べる目的で成人矯正のように歯を抜く(間引く)必要がなくなるケースも多くあります。
歯並びを悪くする癖を早めに解決できる
子供のうちというのは、指しゃぶりや頬杖、舌を突き出す癖、など様々な「歯並びや顎の骨の変形を招く癖」というものをやることも多いものです。矯正歯科に通うことで、このような癖を早めに改善することができます。
子供の頃から矯正をすることで、虫歯や歯周病を予防できる
矯正治療を始めると、定期的に矯正歯科での治療を受けることになります。それによって定期的にお口の状態の管理をしてもらえるので、虫歯や歯周病に対する予防知識を自然に身につけることができます。また、子供のうちに歯並びを整えておくことで、将来虫歯や歯周病になりにくいお口の環境に持っていくことができます。
治療費が安く済むことが多い
子供の矯正治療費用は成人矯正よりもかなり安くすみます。永久歯に全て生え変わった時点で、歯並びに問題がなければそれで矯正治療が終了となることもあります。
お子さんの心理面にとって良い
歯並びがコンプレックスになっている人というのはとても多いものです。「出っ歯」「しゃくれ」などのあだ名をつけられて嫌な思いをすることもあります。お子さんのうちに矯正治療を受けることで、そのようなコンプレックスからも解放されるため、心理面にとっても大変意義が大きいと言えるでしょう。
矯正を始めるのに適した時期は人によって違う
矯正を始めるのに適した時期は、皆が皆、同じではありません。歯並びや噛み合わせのケースによって変わってくるため、気になる人は一度矯正歯科で聞いてみましょう。一般的に、顎の成長に問題があるケースでは、顎の成長をコントロールする必要があるため、早めに治療を始めることが望まれます。ただし、早めといっても3歳未満では、お子さんの治療協力を得ることが難しいため、通常は行いません。早めのケースで3、4歳くらいから、という感じになります。特に下顎が前に出てしまう「下顎前突」のケースでは早めに治療を開始します。下顎前突は遺伝が関係しているため、ご家族に受け口の人がいる場合、早めに矯正歯科を受診してみることをオススメします。