矯正歯科ブログ

すきっ歯を埋める治療法には歯列矯正が最適

すきっ歯を埋める治療法には歯列矯正が最適

歯並びの悪さには様々な種類があります。その中のひとつの「すきっ歯」は、歯と歯の間に隙間がある歯並びで、見た目にコンプレックスを感じている方も多いのではないでしょうか。このすきっ歯を治すための治療として、歯列矯正が適している理由をご紹介します。

すきっ歯の種類について

すきっ歯は専門的には「正中離開(せいちゅうりかい)」と呼ばれ、すきっ歯とは一般的な呼び方です。歯と歯の間に隙間があるすきっ歯には、いくつかの種類があります。

正中離開

すきっ歯の中でも最も多くみられる歯並びで、上の前歯の間に2ミリほどの隙間がある歯並びです。

歯間空隙(しかんくうげき)

別名「ブラックトライアングル」とも言われるこのすきっ歯は、歯と歯の間に隙間はないものの根元に隙間があり、見た目が黒い逆三角形に見えることからそのように呼ばれています。

ハの字型および歯が小さいことで生じる隙間

軽度の叢生(歯並びの悪さ)から引き起こされる、前歯が「ハの字」になり隙間が生じているすきっ歯です。また歯そのものが小さいため、全体的に隙間が生じることもあります。なお、乳歯に見られる歯と歯の間の隙間は永久歯が生えてくることで改善されることが多いため、あまり気にすることはないようです。

すきっ歯の原因とは

ではどうしてすきっ歯になってしまうのでしょうか。その理由として、以下のことが考えられます。

遺伝的要素によるもの

すきっ歯になる原因としていちばん考えられる理由は、遺伝的要素です。顎の大きさに対して歯が小さい、また生まれつき歯の数が少ない場合など、すきっ歯には遺伝的な要素が大きく関わっていると言われています。

虫歯や舌癖など、口腔内の状態が原因のもの

遺伝的要素ではなく、虫歯で歯を失ってそのままにしておくことや、歯周病で歯ぐきが下がることで歯に隙間が生じることがあります。また虫歯治療で、詰め物や被せ物を作製したにもかかわらず、何らかの理由で長期間装着しないままの状態が続くと、歯が動いて隙間ができる可能性があります。舌で前歯を押す悪癖も、歯と歯の間に隙間をつくる原因となります。

すきっ歯による影響とは

すきっ歯による影響とは

すきっ歯は見た目のコンプレックスの他に、口腔内の機能にも影響しやすいようです。その影響として、空気が漏れやすく滑舌が悪くなると言われています。特にサ行、タ行にその影響が出やすいようです。

奥歯にすきっ歯がある場合、噛み合わせに影響が出ることが考えられます。噛み合わせがずれてしまうと、しっかりと噛むことができないだけでなく、肩凝りや頭痛などを引き起こす要因にもなります。

また歯の隙間に食べかすが残りやすく、隙間が狭いすきっ歯は特に歯ブラシの毛先が届きにくいため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。さらに残った食べかすが引き金となり、口臭が発生しやすいという点もすきっ歯の特徴です。

すきっ歯の治療法として最も適している歯列矯正

ではすきっ歯はどのような治療を選べば良いのでしょうか。すきっ歯の治療法として最も適している治療法は歯列矯正です。他にも治療法の選択肢としてよく知られているのはラミネートベニア、ダイレクトボンディング、セラミック治療です。それぞれにメリットとデメリットがありますが、すきっ歯の治療にはなぜ歯列矯正がいちばん適しているのでしょうか。

歯列矯正が適している理由について

歯列矯正が適している理由について

歯列矯正は時間がかかり、すぐには効果が出ないというデメリットがあるにもかかわらず、歯列矯正が最も優れている理由として、歯を削ることがないということです。歯は削るとその分寿命が短くなると言われています。健康な歯を削らずに歯を動かして隙間を埋める歯列矯正は、長く自分の歯を残すためには最適です。

また隙間を埋めるだけでなく、全体の噛み合わせもきちんと整える必要がありますが、歯列矯正は少しずつ歯を動かしながら、最終的に噛み合わせを正しくするという目的があります。噛み合わせは口の中の機能だけでなく、体のバランスを整えるためにも非常に重要です。このようなことから、歯の間の隙間を埋めつつ噛み合わせを正しいものに導く歯列矯正が最適な治療法と言えるでしょう。

すきっ歯を治す歯列矯正について

歯と歯の隙間を埋めて、歯並びと噛み合わせを整える矯正治療には、ブラケットを使った方法とマウスピースを用いた方法があります。

ブラケット+ワイヤー矯正

歯列矯正として最もポピュラーな治療法で、ほとんどの症例に対応できます。歯の表面にブラケットと呼ばれる小さなボタンを取り付け、そこへワイヤーを通して少しずつ歯を動かして、隙間を埋めていきます。矯正治療は自費のため、費用は歯科医院により様々です。相場として片顎20~40万くらいと言われていますが、上下とも歯列矯正を行う場合はおよそ2倍になります。

通常のブラケットはメタル(金属)素材で口を開けたときにかなり目立ってしまうことが大きなデメリットです。装置がギラギラとして目立つのが嫌という方には、セラミックなどで作られた目立たないクリアブラケットを選択することが出来ます。ただし費用はメタルに比べると高くなります。
また歯列矯正は少しずつ歯を動かしていくため、治療期間は数ヶ月単位と長くなります。口腔内の衛生管理もやや難しく、ブラケットやワイヤーの間に食べ物が挟まりやすいことから、虫歯リスクを伴います。

リンガル矯正

メタルブラケットを表面につける一般的な矯正治療は、とにかく目立ってしまうという理由で矯正治療を敬遠する方もいらっしゃいます。そこで歯の裏側に装置を取り付けて歯を動かすという「リンガル矯正」があります。特に前歯が出ている出っ歯の方や、歯の間の隙間が気になる方に効果的です。デメリットとしては時間がかかること、そして費用が表側につけるよりも高くなることです。

マウスピース矯正

インビザラインなど、目立たない取り外し式のマウスピース矯正が人気を集めています。マウスピースを1日20時間以上装着し、一定期間ごとに新しいマウスピースを装着して少しずつ歯を動かしていきます。取り外し式のため歯みがきが行いやすく、口腔内の衛生を清潔に保つことができます。透明なマウスピースのため、人前に出ても矯正治療を行っていることがほぼわかりません。

デメリットは、症例が限られている場合があること、そして抜歯を伴う歯列矯正では治療が難しいことです。マウスピース矯正を希望する場合、マウスピース矯正の実績が豊富な歯科医院を選ぶことが大切です。

すきっ歯だけ埋めることができても、全体の噛み合わせがきちんと整えられていない場合、噛み合わせの異常により色々な不具合が出てきます。マウスピース矯正を考えておられる方は、歯並びを治すだけでなく、実績豊富で噛み合わせもきちんと確認する方針の歯科医院を選ぶことが大切です。

すきっ歯が気になる方は、実績のある歯科医院で相談を

すきっ歯を改善する治療法はいくつかありますが、なぜ歯列矯正による治療法が優れているかをご紹介しました。隙間の広さや全体的な歯並びによって、適した治療法は異なってきます。すきっ歯が気になる方は、実績や症例が豊富な歯科医院に相談するようにして下さい。

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