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矯正歯科ブログ

顎間ゴムの重要性 矯正を計画通りに進めるために

顎間ゴムの重要性 矯正を計画通りに進めるために

歯の矯正治療とは、ただ矯正のための装置を歯につけて普段どおりに過ごしていればいいと思い込んでいる方は意外と多いのではないでしょうか。

しかし、そんなことはありません。矯正治療は矯正歯科医の技術だけではなく、患者の努力も必要不可欠。その理由は、風邪などの病で飲み薬を処方された場合、患者はそれを医者の指示どおりに服用しなくては医者の期待するように回復しません。それと同じように歯の矯正治療もまた患者の協力が必要なのです。
そこで今回は、矯正治療の計画において重要なものである『顎間ゴム』についてご紹介したいと思います。

顎間ゴムについて

『顎間ゴム』とは、矯正の際に使用される矯正治療用の小さなゴムのことであり、またの名を『エラスティックス』ともいいます。このゴムは歯に装着した矯正装置にかけることで歯を動かす原動力とし、あらゆる不正歯列や不正咬合の改善に効果があります。そのため矯正治療では意外とメジャーなものです。

しかし、この『顎間ゴム』が先程の風邪の例えと何の関係があるのか、とお考えでしょう。実はこのゴムによる治療は、患者自身が行うのです。つまり医者に処方された薬と同じようなものだということです。

なぜ自分で治療をするのか

『顎間ゴム』は、その実物を見ると非常に小さな輪ゴムみたいなものですが、決してただの輪ゴムではなく、矯正治療のために作られた特殊なゴムです。しかしこれを使用しての治療を、なぜ医師ではなく患者自身の手で行わなくてはいけないのか。

その理由は、ゴムは一度装置につけて使用し続けていると、時間の経過とともに劣化していき、その伸縮性が失われていくからです。つまり普通のゴムと同様に使い続ければどんどん伸び切ってしまい、縮まなくなってしまうということ。
『顎間ゴム』をつける理由は、強く伸びてもまた強く縮む弾性を利用して歯を動かすためです。よって、ある程度の時間が経ったらまたゴムを新しいものに交換しなくてはいけないのです。その交換を医師の手に委ねていては、最低でも毎日一回は歯科医院に通わなくてはいけなくなってしまうため、患者が自分で『顎間ゴム』の交換をしていくのです。それが必然的に、患者自身による矯正治療となっていくわけです。

継続が必要な顎間ゴム

『顎間ゴム』は食事や歯みがきなどの止むを得ない場合を除き、常に装着されていることを理想としています。よって一日の半分以上『顎間ゴム』の牽引による治療をしていることになり、一日一回はゴムの交換が必要になってきます。しかし、ゴムの交換は矯正をする歯の位置によって簡単な場合もあれば、難しい場合もあります。

どういった場合が難しくなるのかというと、奥歯にゴムを引っ掛けなくてはいけない場合です。奥歯は顎の形によってはすんなり見える人もいれば、非常に見えにくい人もいます。基本的に奥歯は頬の粘膜や奥歯より前の歯などが障害物になっています。そこに指を使い、小さなゴムを矯正装置にかけなくてはいけないのですから、決して一筋縄ではいきません。
しかしそんな方の場合は、ゴムの交換に使用する道具(フック)があります。また自宅でしっかりゴムの交換が行えるように医院で指導や練習を行いますので、決してひとりで不安になることはありません。

顎間ゴムを使用するケース

矯正治療に欠かせない『顎間ゴム』ですが、すべてのケースに使用するとは限りません。ここで、『顎間ゴム』を使用することが多いケースについて一部ご紹介します。

出っ歯(上顎前突)

まず、上の前歯の先端が外側に傾いてしまっているために出っ歯になっている『上顎前突』です。この場合、上の前歯を後ろに下げる計画がメインとなります。上の前歯を後ろに下げるためには、上の歯と下の歯にそれぞれワイヤー矯正の装置を装着します。
その後、顎間ゴムを上の歯の糸切り歯(犬歯)と下の歯の奥歯にそれぞれ引っ掛けます。次に、顎間ゴムの牽引により少しずつ上の前歯を後ろに下げていきます。

開咬(オープンバイト)

『開咬』または『オープンバイト』とは、本来なら上下の歯を噛み合わせた際に接触するはずの上下の前歯が隙間があるために開いた状態のケース。『開咬』は上下の前歯がそれぞれ外側に向かって傾いてしまっていることが多く、また舌で前歯を押す悪癖を持っている場合もあります。
この場合、外側に傾いている上下の前歯を顎間ゴムによって内側に牽引する計画を立て、さらに舌の癖がある場合はそれを改善するトレーニングを同時に行います。顎間ゴムは上の前歯と下の前歯にかけ、口を開くことにより上下の歯が内側に牽引されるようにします。

顎間ゴムの注意点を忘れずに

顎間ゴムは患者が自身で交換などの管理を行うため、医師の指示通りに管理ができないと治療の計画が予定通りに進まないおそれがありますので、注意が必要です。またゴムをつける歯を間違えてしまうと、顎間ゴムの効果がしっかり得られないため、治療を開始する際は入念な確認をするようにしましょう。
困ったことがあった場合は、なるべく医師に相談することが無難です。ゴムを交換するだけとはいえ、正しい方法で顎間ゴムを使えていなくては顎間ゴムを使用する意味がないからです。矯正治療をはじめられる方はぜひ参考にしてみて下さい。

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