代表的な矯正学会や団体について

よくあるご質問

日本矯正歯科学会には、認定医、指導医、専門医ってあるけれども、どういうものなの??
矯正学会も色々?○○認定医も色々あるような?どれがよいの??インビザライン認定医ってあるの??

歯科器具が胸ポケットに入った白衣の人

患者様目線で見ると色々な矯正学会名や色々な○○矯正学会認定医、矯正○○医を目にすることと思います。患者様にとっては正直なところ何が何だかわからないと思います。この混乱を防ぐ意味合いで簡単ではありますが、代表的な矯正学会や団体についてご説明させていただきます。

◆ 世界矯正歯科連盟(WFO)
世界矯正歯科連盟(WFO)は、ピラミッド形式で考えてみますと各国の矯正学会の頂点に君臨し、各国の代表格となる矯正歯科学会を束ねている団体です。国際的には一番大きな矯正歯科分野の学術団体です。
◆ 日本矯正歯科学会
日本矯正歯科学会は、世界最大の世界矯正歯科連盟の分科会として世界で正式に認められている学術団体です。アメリカでは、アメリカ矯正歯科学会が国内最大の学術団体で、こちらも世界矯正歯科連盟の分科会です。日本国内の歯学部26校のすべての矯正学講座の教授陣、医局員全員が入会していると共に矯正専門医であればほぼ間違いなく入会している学会です。会員数は約6,700名と国内最大です。
◆ 日本成人矯正歯科学会
日本成人矯正歯科学会は、私が日本矯正歯科学会認定医を取得した後に発足した学会で比較的新しい学会です。主な会員は、矯正の開業医、一般歯科のDrですが矯正を学びたい方や歯学部矯正科の元教授なども数名参加しています。会員数は、ぐっと少なくなり約1,200名程度。矯正医院に勤める歯科衛生士向けに教育を行い矯正歯科認定衛生士制度や技工士制度なども作り、Drだけでなく矯正歯科医院内のスタッフも研鑽出来るような講演なども多く企画し積極的に活動しています。研究機関、学術団体というよりは、主に臨床の場で役立つ情報などを発信している団体ですが、ある程度の矯正の実力を持ったDrを育成することを目的として独自に2年間の矯正研鑽コースなども開講しています。
◆ 舌側(裏側)矯正歯科学会
舌側(裏側)矯正歯科学会は、元々裏側矯正装置の販売を行うアメリカの機材メーカーが裏側矯正の発展のために、裏側矯正を勉強したい日本のDrを集めて勉強会を始めたのが前身で数年前に学会へ名称変更を行いました。その為、学会という名称にはなっていますが、いわゆる学術団体、研究機関ではなく裏側矯正勉強会グループと考えた方がよろしいと思います。会員数は、スタディグループレベルですのでさらに少ない500名程度。
◆ 日本臨床矯正医会
日本臨床矯正医会は、矯正単独で開業なさっている院長達が矯正臨床の発展の為に発足し開業医同士の連携を積極的に行っている会です。会員医院約460件。矯正治療中の転院などの際の転院資料のフォーマットなどを作成し、会員内での転院に役立てています。同士の集まりの会であると思います。
◆ インビザライン認定医って?? 経歴詐称になってしまうかも!
結論から申し上げます。インビザライン認定医というカテゴリーは、世界的に存在致しません。インビザライン認定医とうたっている方々はおそらく以下の方々であると思います。インビザライン導入の為の講習会に参加するとインビザラインを提供しているアラインテクノロジー社よりインビザラインのサティシフィケイトが授与されます。以後インビザラインを患者様に提供出来るようになります。よくウエブ上でインビザライン認定医と記載してあるのは、この講習会に参加したDrということを表します。

以上主な矯正団体についてご説明させていただきました。その他日本の矯正界には、数え切れないほどの矯正学会や矯正会という色々な名称の付いたグループがあります。矯正の治療法やテクニック、装置別にそれぞれのスタディグループがあったり、大学別でスタディグループがあったりします。
(要は自分たちが行っている矯正治療が一番良くて正しくてその他の治療法はすべて間違っているということを公言までしてしまう方々が集まっているグループまであります。矯正学が、医学の一部である以上、学術的に見て一定の診断基準、治療基準があり、また、たまたま偶然良くなったというレベルではなく再現性のある診断および治療法と再現性のある治療結果を生み出すものでなくてはなりません。ある一部の方だけが正しい治療というようなものは、医学の範疇を超えた別分野のものであるような気がいたします。)

このように国内には、様々な矯正学会や認定医のような資格があふれています。私自身も海外だけでなく国内の色々な矯正学会、矯正の勉強会、スタディグループにも絶えず参加し研鑽を積んでいます。

矯正学会の取り扱いについては、管轄する厚生労働省も同じような見解を示していますので、矯正学会について国の評価、見解は今回前述させて頂きました内容とほぼ同一かと思われます。