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矯正歯科ブログ

矯正治療中に気を付けるべき虫歯になりやすい人とは?

矯正治療中に気を付けるべき虫歯になりやすい人

歯の矯正治療をはじめると、以前よりも虫歯になりやすいということをよく耳にします。
その原因は矯正装置をつけているために歯が磨きづらくなることがおもな理由とされていますが、虫歯になってしまう理由は決してそれだけとは限りません。
なぜなら虫歯になってしまう要因に口内環境が大きく影響しているからです。虫歯の「有る」「無し」以前に、もともと虫歯になりやすい人もいるとされており、矯正装置をつけることでより虫歯ができやすくなっているかもしれないのです。

しかし自分自身がなぜ虫歯になりやすい口内環境なのかは普通の生活では知るすべがありません。そこで今回は歯科医院で行っている「虫歯のなりやすさ」を調べることができる検査についてご紹介します。

カリエスリスク検査について

虫歯のなりやすさを調べることができる検査のことを『カリエスリスク検査』と言います。『カリエスリスク検査』で調べることができるものは、「歯の質」「唾液の量と質」「食生活」「細菌の量」などです。
これらの状態によって口内環境は大きく影響し、虫歯のなりやすさにつながっていくとされています。そのため虫歯になってしまう理由は一概に限定されず、さまざまな悪い条件が重なることで初めて歯が虫歯に冒されていくことになるのです。
しかし検査を行うことで口内環境の細かい状態がわかるため、それにより具体的な虫歯予防の対策を行うことができることがこの検査の最大のメリットです。

検査の方法

ではここで『カリエスリスク検査』で行う検査についてご紹介します。虫歯のなりやすさはこれらの検査の結果を数値化し、総合評価します。またひとつひとつの検査の結果により、どのような虫歯予防をすればよいのかも判明します。

唾液の量と質の調べ方

「唾液の量と質」の調べ方は、検査用のガムを使用して行います。無味無臭のガムを5分間噛み続け、それによって出た唾液をすべて採取します。採取した唾液はその後量をはかり、特殊な検査薬を使い唾液のpH値(ペーハー)を調べます。唾液は基本的に中性からアルカリ性寄りであることが理想であり、pH値を調べることで唾液が理想的な状態であるかどうかが判明します。もし唾液が中性から酸性寄りである場合、歯の再石灰化が行われにくく虫歯になりやすい傾向にあることがわかります。また唾液の量が少ない場合も再石灰化に影響するため、唾液の量が少ない方も同様に虫歯になりやすいと言えます。

食生活の調べ方

「食生活」の調べ方は、患者の普段の食生活の記録から調べます。どういった料理や食べ物を好んで食べているのか、どれくらいの時間間隔で食事を取っているのかなど、それらを調べることで唾液や歯の状態を予測することができるためです。
口のなかは何も食べていない時は中性寄りの状態であり、食事をすることにより必ず酸性の状態に傾きます。その後、何も食べていない時間帯を作ることにより唾液の自浄作用で少しずつ口のなかを中性に戻していきます。そのため口のなかは食事をしていない時の中性の状態と、食事をした時の酸性の状態とを常に繰り返し続けているのです。よって食事のあと間を置かずに間食を摂っている場合、口のなかが常に酸性の状態である可能性が高く、それにより虫歯になりやすくなっていることが考えられます。
また砂糖を多く含む食べ物や飲み物、酸性質の食べ物や飲み物などを多く摂取している場合も虫歯になりやすいと言え、食生活の改善が求められることがあります。

細菌の量の調べ方

「細菌の量」の調べ方は、虫歯の原因菌の代表である「SM菌(ストレプトコッカス・ミュータンス菌)」と「LB菌(ラクトバシラス菌)」の量を調べます。「SM菌」はおもにプラークを形成し、歯を脱灰させる(歯のミネラルが溶け出す現象)酸を排出する役割を持っています。さらに「LB菌」は「SM菌」と連携し、菌の活動を活発化させる役割を持っています。口のなかから採取した唾液とプラークからこの2つの菌の量を調べることができ、もし菌の量が多い場合は虫歯になりやすい傾向にあるということがわかります。また菌の量は歯みがきを行ってもふたたび増殖するため、菌の量を減らすための工夫を行う必要が出てきます。

歯の質の調べ方

「歯の質」の調べ方は、唾液の質や普段使用している歯みがき粉のタイプによって判明します。一般に販売されている歯みがき粉の主成分は「研磨剤」「発泡剤」「香料」などであり、さらにそこに「フッ素」が含まれているものがあります。「フッ素」が含まれている歯みがき粉を日常的に使用している場合、歯が「フッ素」を吸収し、ある程度の硬度を持っていることが考えられます。硬度が高い歯は虫歯になりにくいため、「フッ素」を含んだ歯みがき粉を使用しているかいないかは、虫歯のなりやすさに影響します。また「フッ素」を含んだ洗口液を使用しているかどうかや、定期的に歯科医院で「フッ素塗布」を行っているかどうかも虫歯のなりやすさに影響します。

検査結果でわかる虫歯対策

検査結果でわかる虫歯対策

『カリエスリスク検査』は、なぜ虫歯になってしまうのかがわかるだけでなく的確な虫歯対策を行えることが重要なポイントです。もし「唾液の量と質」に問題がある場合は「普段食べている物の改善」「唾液の分泌を促す習慣指導」などを行います。

また「食生活」に問題がある場合は「普段食べている物の改善」「食事の摂り方の指導」などを行います。「細菌の量」が多い場合は「キシリトールの摂取」「食生活の改善」などを行います。さらに「歯の質」に問題がある場合はフッ素を含んだ歯みがき粉や洗口液の使用をすることで改善することができます。

このようにひとつひとつのポイントに合わせた対策を行えるため、確かな虫歯予防の効果が得られるのです。普段から良く歯を磨いていても虫歯になりやすい人は『カリエスリスク検査』を受けてみるべきなのかもしれません。

虫歯ゼロの矯正を目指して

また『カリエスリスク検査』は保険適用外となるため注意が必要です。しかし、矯正をはじめると装置により歯みがきがしづらくなるため、虫歯のリスクがある程度高くなることは避けられません。

歯みがき以外の虫歯対策を行うために、どの予防法が自分に合っているか『カリエスリスク検査』で調べることができます。普段から虫歯になりやすい人はぜひ歯科医院で『カリエスリスク検査』を行ってみてはいかがでしょう。

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