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インビザライン・マウスピース矯正で治療したい方 必読!「インビザライン」・「マウスピース矯正」の現在と落とし穴 その2・マウスピース矯正治療の治療計画2

「インビザライン・クリンチェック」ってどういうもの?

マウスピース矯正「インビザライン」による矯正治療では、治療後の最終的な歯並びを、患者様ご自身にご確認頂くことができます。患者様の歯並び、かみあわせのデータは、CAD技術を用いてデジタル化され、3次元の歯のモデルがコンピュータ上に再現されます。その後担当医が作成した治療計画書に基づきアライン社が独自に開発したクリンチェック・ソフトウェアを用いて、「クリンチェック治療計画」が作成されます。
クリンチェック治療計画を使用して、治療開始前の歯並びの状態、治療終了後の歯並びの状態、矯正中の歯の移動の経過など、すべての治療ステージをあらゆる角度からコンピューター画面上で確認・検討することができます。
インビザラインによるマウスピース矯正では、治療中の診察時にも、どの程度歯が動いているのかなど進捗状況をご確認頂くことが可能で、治療のモチベーションにもつながります。さらにパソコンやスマートホンでご覧いただける動画や静止画に変換して、クリンチェックによる治療計画を、患者様のアドレスに直接お送りすることも出来ます。

「インビザライン・クリンチェック」の問題点!

ここからインビザライン クリンチェックシステムの問題点のご説明をさせていただきます。まずは実際のクリンチェックの動画をご覧ください。

矯正診断では、患者様の顔面骨格や上下のあごの骨の関係がどのような状況なのか、その中で歯の位置はどのような状況なのか、上下のかみ合わせはどのような状況なのか、ということについて顔面骨格のレントゲンを初めとして様々な資料を用いて現状を詳しく分析し正しい歯並びの基準を考慮しながら治療目標を設定します。しかしながらクリンチェックは、動画でご覧頂いたように、ただ歯の位置だけの移動シミュレーションなのです。クリンチェックは、凸凹がどのように治ってくるかというような確認には、優れたシステムだと思います。しかしながら実際、顔面骨格や顔面骨格に対して上下の歯の位置がどのような状態で、どのようなかみ合わせなのか、かつどのような移動を経て出っ歯や受け口が治りお口元がどのように、またどのくらい改善するのか、変化するのか、かみ合わせがどのようになるのか等の確認は出来ません。マウスピース矯正治療前にこのあたりのことを考慮せずなんとなくクリンチェクのみでマウスピース矯正を開始された方々が後々後悔しているケースが非常に多いと思います。マウスピース矯正をしたら、凸凹は少し良くなったけれども、まだきれいに整っていなっていない、また治療前よりも更にお口元が出てしまった。口が閉じにくくなってしまったというのは、マウスピース矯正に精通した専門医であれば術前に予測出来た結果です。治療前にこれらの部分も十分に考慮しながら綿密な治療計画を立案し作成すると十分防ぐことが出来たのです。

インビザライン治療計画次第で、こんなに変わるお口元

1.治療前のお口の状態です。

歯並びは、凸凹があって少し前歯が出っ歯ているように見えます。

歯並びは、凸凹があって少し前歯が出っ歯ているように見えます

治療前のお口元の状態です。
前歯が少し出っ歯っている為、お口元も少し前突しています。

前歯が少し出っ歯っている為、お口元も少し前突しています

2.治療後の歯並びです。

治療後の歯並び

下の画像は、治療前の状態を示します。上の画像と比較すると凸凹が治っていることが確認出来ると思います。

治療後の歯並び

3.インビザラインで治療した後のお口元の比較です。3種類の治療結果を提示しています。

治療結果例①

治療結果例①

治療開始前の状態(下の画像)と比較してみてください。治療後(上の画像)のほうがさらに出っ歯になりお口元もさらに前に出てしまいました。

治療結果例②

治療結果例②

治療結果例②

治療開始前の状態(下の画像)と比較してみてください。治療後(上の画像)のほうがさらに上も下も前にでてしまい上下顎前突症となってしまい、お口元もさらに前方に出てしまいました。
治療前の状態

治療結果例②

治療結果例③

治療結果例②

治療結果③は、上の前歯の凸凹を治しながら、出っ歯の治療も同時に行った結果、歯並び、かみ合わせが良好になりました。さらにお口元も後退し、お口元の基準となる「E-Line」に対しても良好な状況となりました。
(横顔の口元に黒い線が描かれておりますが、この線がE-Lineです。さらに詳しいことは、お顔のバランスの基準ページをご参照ください。)

治療前の状態

治療結果例②

治療結果をそれぞれ比較してみましょう。
治療結果例①、②、③とも歯並びの凸凹は治っています。
一見歯並びは同じように見えますが、お口元やかみ合わせの比較では大きな違いが生じています。

治療結果例①、および②の結果を生んだクリンチェックは、昔ながらのインビザライン導入当初の移動計画で作成されたマウスピースです。凸凹を治すために前歯をさらに前に傾斜させて凸凹を治します。また前歯が前に出すぎないようにするために歯と歯の間を削ることが多いのです。いずれにしましても治療計画には、凸凹を治すことしか組み込まれていませんので、治療前よりも前歯が前方に出て出っ歯になって終了です。治療結果例①は、上の前歯が治療前よりも前に出てしまった状態、治療結果②は、上下の前歯が治療開始まえよりも前に出てしまい上下顎前突になってしまった状態を示します。いずれにしましても①、②共にこのような治療結果は患者様はお望みではないと思いますが、診断、治療計画が今一つですとこのような結果をもたらしてしまいます。実は今までこのような治療結果になってしまった方が非常に多いのです。矯正を熟知しているDrは、このような結果を招くことは十分予想がつくことなのですが、矯正の知識が乏しいDrの場合、このような状況になってしまうことすら予想出来ていないと思います。凸凹が治ったのだから治療結果は良好と思っていると思われます。
特に前歯だけの部分矯正を安易に行った場合、ほとんどの方がこのような治療結果となってしまいます。凸凹が強い方ほど前歯がさらに前に出てしまいます。折角なさる矯正治療、このような結果では、もったいないと思います。私には、安かろう、悪かろうと思えてしまいます。

次は、正面からの変化を見てみます。

正面からの変化

治療例①、②の場合、前歯が前に出ていると口元が前に出てしまうと共に唇が閉じにくくなります。そして口(唇)を閉じると下あごにしわが生じるようになります。お口の周りの筋肉の不調和が生じてしまいました。
治療例③の場合、 健康的なお口元で口腔周囲の筋肉に異常は認められません。

治療結果例③の結果を生んだクリンチェックは、凸凹があり、しかも出っ歯ややや出っ歯ぎみという方であれば、凸凹も出っ歯も同時に改善するような計画を入力しています。このような治療目標の場合、担当医が個別の治療計画をバージョンアップされたクリンチェックプロ上で一つ一つ入力する労力と適正な診断能力、治療計画が携わっていれば良質な治療結果を生むマウスピースを作成することが出来ます。

正面からの変化

残念ながらこの3つのケースの①、②、③それぞれのクリンチェックを同時に比較したとしても素人である患者様には違いは中々判りません。熟練した矯正専門家であると各々の治療結果は一目瞭然なのですけれども。

[クリンチェックプロ]

インビザラインシステムもバージョンアップが繰り返され当初の治療目標(わずかなでこぼこを治す、歯のわずかな隙間を閉じる)よりも、移動の効率化がなされ治療効果も格段に向上してきています。

正面からの変化

またクリンチェックシステムも2015年末ようやくバージョンアップされました。担当医がインビザラインに精通している。また矯正学や矯正診断法を理解し自分のものになっている。矯正治療の治療経験が少なくとも10年以上(医学の世界では専門医になる場合には最低10年の修行が必要というのが共通認識です)あり、個々の患者様に応じて個別の治療計画を立案、治療データを入力することが出来る場合には、治療効果の出るマウスピースが出来上がります。矯正専門医すべてがインビザライン治療に詳しいわけではなく、マウスピース矯正の治療経験の少ない、もしくはほとんどないDrや一般歯科の先生方(大変失礼ですが、ほとんどのDrがこのレベルです。矯正を本当に学び続けたDr以外という意味です)入力した場合には、昔ながらの治療目標(わずかなでこぼこを治す、歯のわずかな隙間を閉じる)を達成する程度のマウスピースしか作成することが出来ません。
クリンチェックプロは、とても良いソフトに仕上がってきていますが、個別入力が可能になった分、取り扱いが複雑でかつ入力情報の量も天文学的に増えています。マウスピース矯正特有の歯の移動様式や診断方法、歯の移動様式等に精通しているマウスピース矯正の熟練したDr以外、ソフトの効果を十二分に発揮することが出来ないと思います。

次回は、「もう一つの大きな問題、クリンチェック作成前の治療計画書!」についてご説明させていただきます。

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